宇和島鯛めし

宇和島の鯛めしと、現存天守の城下町

愛媛県の南部、南予(なんよ)地方の中心都市・宇和島(うわじま)。複雑に入り組んだリアス海岸が育む豊かな海の幸と、伊達家ゆかりの城下町としての歴史が息づく町です。なかでも、生卵とタレで味わう独特の「宇和島鯛めし」は、ぜひ味わいたい名物。現存天守の宇和島城に、迫力の闘牛——松山とはまた違う、南予ならではの魅力をご案内します。

炊き込むのではなく、生の鯛を卵だれにくぐらせ、熱々のご飯にのせる。宇和島の鯛めしは、漁師町が生んだ、海の贅沢です。

宇和島鯛めし|生卵とタレで味わう、漁師めし

「鯛めし」と聞くと、鯛を炊き込んだご飯を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど宇和島の鯛めしは、まったく別もの。新鮮な鯛の刺身を、しょうゆベースのタレと生卵を溶いたつゆにくぐらせ、薬味とともに温かいご飯にかけて味わいます。もともとは漁師が船の上で食べた、まかない料理が始まりとされます。とろりとした卵と、こりこりとした鯛の食感、香ばしいごまの風味が一体となり、ご飯が止まらなくなる美味しさ。一度食べれば忘れられない、宇和島ならではの味です。

宇和島鯛めし
生の鯛と卵だれが織りなす、宇和島ならではの鯛めし。

宇和島城|現存十二天守のひとつ

宇和島の町を見下ろす小高い丘に立つ宇和島城は、江戸時代から残る貴重な天守のひとつです。築城の名手・藤堂高虎が手がけ、のちに伊達家の居城となりました。

  • 現存天守— 全国に十二しか残らない、江戸期からの天守。
  • 城山の眺め— 天守からは、宇和海と城下町を一望できる。
  • 石垣と門— 名手・藤堂高虎が築いた、堅固な縄張り。

天守までは、緑深い城山の坂道を登っていきます。道中には、苔むした石垣や古い門が点在し、当時の城のたたずまいを今に伝えています。三層の天守は、戦国の威容よりも、太平の世の優美さを感じさせる端正な姿。最上階からは、宇和島の市街地と、その先に広がる穏やかな宇和海が一望でき、登ってきた疲れも吹き飛びます。派手さはないものの、本物の歴史だけが持つ風格が、静かに胸に迫ってきます。

闘牛と、宇和海の恵み

宇和島には、二頭の牛が角を突き合わせて力比べをする「闘牛」の伝統が、今も受け継がれています。専用の闘牛場で開かれる取組は、迫力満点。南予の人々に長く愛されてきた、勇壮な文化です。また、波静かなリアス海岸の宇和海は、真珠や鯛の養殖がさかんで、じゃこ天や練り物といった海の幸も豊富。歴史と食、そして独特の文化が幾重にも重なる宇和島は、訪れる人を飽きさせません。

めぐり方と、アクセス

宇和島へは、松山から特急列車で一時間半ほど、JR宇和島駅が拠点です。鯛めしの名店は駅周辺や城下に点在し、宇和島城へも徒歩圏内。闘牛は年に数回、定期大会が開かれます。南予には、内子の町並みや、四国西南の海など、あわせて訪ねたい名所も多くあります。松山からの足をのばして、愛媛のもうひとつの顔・宇和島を、ぜひ味わってみてください。

旅のメモ

エリア
愛媛県宇和島市
見どころ
宇和島城・闘牛・城下町
名物
宇和島鯛めし・じゃこ天・真珠
あわせて
内子・四国西南の海と
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