石見銀山と石州瓦。島根に残る、ものづくりと暮らしの遺産
かつて、世界の銀の流通を、大きく支えたともいわれる石見銀山(いわみぎんざん)。島根には、ものづくりと、人々の暮らしが、寄り添ってきた、静かな遺産が残ります。自然と共生した、世界遺産の鉱山、赤瓦が連なる町並み、そして暮らしに根ざした手しごと——島根の、ものづくりと暮らしの遺産をご案内します。華やかな観光地とは違う、しみじみとした魅力に出会える旅です。
石見銀山|自然と共生した、世界遺産
石見銀山は、16〜17世紀に、世界の銀の、相当量を産出したと伝わる、巨大な銀山です。周囲の自然環境を、破壊することなく、森と共生しながら銀を産出した点が、高く評価され、世界遺産に登録されました。坑道跡である「間歩(まぶ)」をたどり、当時の人々の暮らしが残る、大森(おおもり)の古い町並みを歩けば、繁栄と、それを支えた人々の営みの歴史が、静かに立ちのぼってきます。
赤瓦と、石見の手しごと
島根の沿岸を旅すると、赤茶色の瓦屋根が連なる、美しい町並みが目を引きます。これは、「石州瓦(せきしゅうがわら)」と呼ばれる、島根の特産品。高温で焼き締められた瓦は、雪や、潮風に強く、丈夫なことから、この地の暮らしを、長く支えてきました。実用の美です。また、丈夫な日用の器である、石見焼(いわみやき)など、暮らしに根ざした、素朴な手しごとも、今に息づいています。
暮らしの遺産を、訪ねる
石見銀山の、大森の町並みには、武家屋敷や、商家、社寺などが残り、当時の面影を、色濃くとどめています。レトロな町並みには、おしゃれなカフェや、雑貨店も点在し、のんびりと、散策が楽しめます。きらびやかな観光地とは、ひと味違う、暮らしの中に息づく、本物の歴史と文化。出雲大社の参拝や、松江の城下町とあわせて、島根の、奥深い魅力に触れてみてください。
石見銀山の歩き方と、石見神楽
石見銀山の魅力は、ゆっくりと歩いてめぐることで深まります。大森の古い町並みから、坑道跡の龍源寺間歩までは、徒歩やレンタサイクルでめぐるのがおすすめ。観光開発を抑え、暮らしの風景を守ってきたこの地では、静かな時間が流れています。あわせて味わいたいのが、石見地方に伝わる伝統芸能「石見神楽」。きらびやかな衣装と、勇壮な囃子、大蛇(おろち)が舞う迫力ある演目は、地域の祭りで今も大切に上演され、訪れる人を魅了します。
華やかな観光地とは違う、暮らしのなかに息づく本物の歴史と文化。それが、石見の旅の何よりの魅力です。
温泉津温泉と、アクセス
石見銀山のほど近くには、世界遺産の構成資産でもある温泉津(ゆのつ)温泉があります。銀の積み出し港として栄えた、レトロな湯の町で、源泉かけ流しの濃厚な湯を楽しめます。銀山めぐりのあとに立ち寄れば、旅の疲れをやさしく癒してくれます。
石見銀山へは、出雲市駅などから車やバスでアクセスします。出雲大社の参拝や、松江の城下町、玉造温泉とあわせて、神話の国・島根の奥深い魅力を、ゆっくりと味わってください。しみじみとした風情に包まれる、心和む旅になります。
旅のメモ
- エリア
- 島根県大田市ほか
- 見どころ
- 石見銀山(世界遺産)・大森の町並み
- 名物
- 石州瓦・石見焼
- あわせて
- 出雲大社の参拝と