奈良公園と東大寺。鹿と大仏、古都の杜をめぐる
古都・奈良の中心に広がる奈良公園は、千頭を超える鹿がのびのびと暮らす、緑豊かな公園です。その広い杜のなかに、大仏で名高い東大寺、朱塗りも鮮やかな春日大社、優美な五重塔の興福寺など、世界遺産の社寺が点在します。鹿とたわむれ、悠久の歴史に触れる——奈良ならではの、おおらかな時間が流れる古都の杜をご案内します。
大仏の前に立つと、その大きさに圧倒される。千二百年以上、奈良の地を見守り続けてきた、祈りのかたちです。
東大寺|大仏が見守る、世界最大級の木造建築
奈良公園の象徴ともいえるのが、東大寺です。奈良時代、聖武天皇の発願によって建立され、本尊の盧舎那仏(るしゃなぶつ)——いわゆる「奈良の大仏」が鎮座します。高さ15メートルにもおよぶ大仏を収める大仏殿は、世界最大級の木造建築。そのスケールには、誰もが圧倒されます。参道には、仁王像がにらみをきかせる壮大な南大門が立ち、訪れる人を出迎えます。大仏の柱には、その鼻の穴と同じ大きさの穴があり、くぐると幸せになれるという言い伝えも。歴史の重みと、人々の祈りが息づく、奈良を代表する古刹です。
見どころ|古都の社寺と鹿
奈良公園には、東大寺のほかにも、見ごたえのある社寺が点在しています。鹿とのふれあいも、奈良ならではの楽しみです。
- 春日大社— 朱塗りの社殿と、無数の灯籠が美しい古社。
- 興福寺— 優美な五重塔と、名高い阿修羅像を擁する。
- 奈良の鹿— 神の使いとされ、千頭以上が公園に暮らす。
春日大社は、朱塗りの社殿と、参道や回廊に連なる無数の灯籠で知られます。年に二度の万灯籠の夜には、すべての灯籠に火がともされ、幻想的な光景が広がります。一方、興福寺の五重塔は、奈良の街並みを象徴する優美な姿。安置される阿修羅像は、三つの顔と六本の腕を持つ、繊細で美しい仏像として、多くの人を惹きつけます。広い杜のなかに、それぞれ趣の異なる名刹が点在し、歩くたびに新たな出会いがあるのが、奈良公園の尽きせぬ魅力です。
鹿とふれあう、古都の杜
奈良公園を歩けば、いたるところで鹿に出会います。古来、春日大社の神の使いとして大切にされてきた鹿は、国の天然記念物。「鹿せんべい」を差し出すと、お辞儀をするようにして食べる愛らしい姿も見られます。ただし、彼らは野生動物。むやみにからかったりせず、節度を持って接することが大切です。広い杜に点在する社寺をめぐりながら、鹿とふれあい、季節の風景を楽しむ——奈良公園では、急がず、のんびりと過ごすのが似合います。新緑も紅葉も美しく、訪れるたびに違った表情を見せてくれます。
めぐり方と、アクセス
奈良公園へは、近鉄奈良駅から徒歩圏内、JR奈良駅からもバスで近く、京都や大阪からも日帰りで訪ねられます。公園は広く、社寺が点在しているので、歩きやすい靴で訪ねましょう。東大寺、春日大社、興福寺をめぐれば、半日から一日たっぷり楽しめます。鹿せんべい以外の食べ物を与えないなど、鹿とのマナーも守って。法隆寺や、明日香の里とあわせて、奈良の歴史をめぐる旅に出かけてみてください。
旅のメモ
- エリア
- 奈良県奈良市
- 見どころ
- 東大寺・春日大社・興福寺・奈良の鹿
- 注意
- 鹿は野生。鹿せんべい以外を与えないで
- あわせて
- 法隆寺・明日香と