知床の大自然

世界自然遺産・知床。流氷が育む、原始の大自然

北海道の東端、オホーツク海に突き出すように延びる知床(しれとこ)半島。その名は、アイヌ語で「地の果て」を意味する「シリエトク」に由来します。人の手がほとんど及ばない原始の自然が残るこの地は、海と陸の生態系が密接につながる稀有な価値が認められ、世界自然遺産に登録されました。流氷が運ぶ恵みと、野生動物が暮らす森。知床は、日本にこんな場所があったのかと驚かされる、雄大な大自然の宝庫です。

流氷が運ぶ栄養が、海を豊かにし、森を育てる。知床では、海と陸の命が、ひとつにつながっています。

流氷が育む、豊かな生態系

知床の自然を特別なものにしているのが、冬に接岸する流氷です。流氷とともに運ばれる植物プランクトンが、海を豊かにし、魚を育て、それを食べるアザラシやワシ、そしてヒグマへと、命のつながりが生まれます。流氷が、海から陸までの生態系を支えているのです。冬には、網走や知床から流氷を間近に見るクルーズも運航され、白く埋め尽くされた海の上を進む、ほかにはない体験ができます。

知床の自然
原始の森と、オホーツクの海。命がつながる知床の風景。

知床五湖と、半島の絶景

知床観光のハイライトのひとつが、原生林に囲まれた五つの湖「知床五湖」です。木道や遊歩道が整備され、知床連山を湖面に映す絶景のなかを散策できます。ヒグマの生息地でもあるため、時期によってはガイド同行が必要なこともあります。

  • 知床五湖— 原生林と連山を映す、神秘的な湖の散策路。
  • 知床岬クルーズ— 船でしか行けない断崖や滝を、海から望む。
  • カムイワッカの滝— 温泉が流れる、知床ならではの秘境の滝。

散策路をたどれば、頭上ではエゾシカが草を食み、木々のあいだを小鳥がせわしなく行き交います。空気は澄みわたり、足元の苔むした倒木からは、次の命が芽吹いている——知床では、自然が絶えず循環していることを、五感で実感できます。展望台から望むオホーツク海の夕日や、知床連山に沈む光景もまた格別。観光地化されすぎていないからこそ味わえる、ありのままの自然の懐の深さが、この地の何よりの贈り物です。

野生動物と出会う、原始の森

知床は、ヒグマやエゾシカ、キタキツネ、そして「森の神」とも称される希少なシマフクロウなど、数多くの野生動物が暮らす、生命あふれる土地です。運がよければ、その姿を目にすることもあります。ただし、彼らは野生。むやみに近づいたり、餌を与えたりせず、距離を保って見守るのがマナーです。手つかずの自然と、そこに生きる命に出会えるのが、知床の何よりの魅力。人もまた、自然の一部であることを、静かに思い出させてくれます。

めぐり方と、アクセス

知床へは、女満別(めまんべつ)空港から車やバスでアクセスするのが一般的です。拠点となるウトロや羅臼(らうす)には、宿や食事処が点在します。流氷は冬、知床五湖の散策やクルーズは夏から秋がベストシーズン。自然が厳しい土地のため、天候や運航状況の確認は欠かせません。富良野や、海鮮グルメとあわせて、北海道の雄大な自然をめぐる旅に、知床をぜひ組み込んでみてください。

旅のメモ

エリア
北海道斜里町・羅臼町
見どころ
知床五湖・流氷クルーズ・知床岬
ベスト
流氷は冬、五湖散策は夏〜秋
あわせて
海鮮・富良野と北海道の旅に
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