竹原、安芸の小京都。塩と酒で栄えた、白壁の町並み
瀬戸内海に面した広島・竹原(たけはら)は、江戸時代に製塩と酒づくりで富を築いた港町です。その繁栄を物語る白壁や格子戸の商家が、今も通りに連なり、しっとりとした風情をたたえています。その美しい町並みから「安芸(あき)の小京都」と呼ばれ、訪れる人を江戸の世へといざないます。塩と酒の香りが残る、瀬戸内の町をご案内します。
塩で栄え、酒で潤った町。竹原の格子戸の奥には、商人たちが築いた豊かな時代の記憶が、静かに息づいています。
竹原とは|塩と酒が育てた、商家の町
竹原は、遠浅の海岸を生かした塩田による製塩で、江戸時代に大いに栄えました。塩で得た富は、酒づくりへと広がり、町には豊かな商人文化が花開きます。その繁栄を背景に建てられた重厚な商家が、今も「町並み保存地区」に数多く残されています。塗籠(ぬりごめ)の白壁、繊細な格子戸、なまこ壁——一軒ごとに意匠を凝らした建物が連なる光景は、見ごたえ十分。国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれ、歩くだけで江戸の商家町にタイムスリップしたような気分を味わえます。
見どころ|町並みを歩く
保存地区はコンパクトにまとまっており、徒歩でゆっくりめぐれます。歴史ある建物が、今もさまざまな形で生かされています。
- 町並み保存地区— 白壁・格子・なまこ壁の商家が連なる通り。
- 松阪邸— 豪商の暮らしを伝える、優美な意匠の商家。
- 西方寺普明閣— 高台に立つお堂から、町並みを一望できる。
通り沿いには、古い商家を生かした資料館やカフェ、ギャラリーが点在し、町歩きの合間にひと休みできます。格子戸の奥に広がる土間や、丹精込めた坪庭をのぞけば、当時の豪商の暮らしぶりが偲ばれます。夕暮れには、人通りも少なくなり、白壁が西日に染まる静かなひととき。観光地化されすぎていないからこそ、ゆったりと時の流れに身をゆだねられます。竹細工など、土地に根ざした工芸に出会えるのも、竹原ならではの楽しみです。
うさぎの島と、瀬戸内の旅
竹原の沖には、数百羽の野生のうさぎが暮らす「大久野島(おおくのしま)」があります。フェリーで渡れば、人なつこいうさぎたちが出迎えてくれる、癒やしの島。瀬戸内の穏やかな海を眺めながらの船旅も心地よく、家族連れにも人気です。竹原はまた、日本のウイスキーの父・竹鶴政孝を生んだ町でもあり、ゆかりの酒蔵も残ります。歴史ある町並みと、瀬戸内ののどかな島々——竹原を起点に、瀬戸内の旅を広げていく楽しみがあります。
めぐり方と、アクセス
竹原へは、広島市内や三原からJRやバスでアクセスでき、しまなみ海道方面からも訪ねやすい立地です。町並み保存地区は竹原駅から徒歩圏内で、一時間から二時間ほどでめぐれます。大久野島へは、忠海(ただのうみ)港からフェリーで渡ります。広島市内や宮島、尾道とあわせて、瀬戸内の歴史と海をめぐる旅に、竹原をぜひ加えてみてください。
旅のメモ
- エリア
- 広島県竹原市
- 見どころ
- 町並み保存地区・松阪邸・大久野島
- 別名
- 安芸の小京都
- あわせて
- 宮島・尾道と