紀州漆器と備長炭。和歌山に息づく、伝統の手しごと
和歌山には、聖地や、絶景だけでなく、暮らしを支えてきた、伝統の手しごとが息づいています。日本有数の漆器の産地として知られる紀州漆器、そして、最高級の炭として名高い、紀州備長炭(きしゅうびんちょうたん)——紀州の風土が育てた、ものづくりの文化をご案内します。長い歴史の中で磨かれた、本物の道具や器は、私たちの暮らしを、豊かにしてくれます。手しごとの温もりに触れる旅です。
紀州漆器|暮らしを彩る、黒江塗
和歌山・海南(かいなん)市の黒江(くろえ)地区を中心に作られる紀州漆器は、福島の会津、福井の越前と並ぶ、日本三大漆器のひとつに数えられます。「黒江塗」とも呼ばれ、堅牢で、実用的なことから、日用の器として、広く親しまれてきました。比較的、手頃な価格のものも多く、日々の暮らしに、気軽に取り入れられるのが魅力。お椀や、お盆など、使うほどに、愛着のわく漆器に出会えます。
紀州備長炭|炎を支える、最高級の炭
紀州備長炭は、ウバメガシを原料に、伝統的な製法で焼き上げられる、最高級の白炭(しろずみ)です。火力が強く、長時間、安定して燃えることから、うなぎや、焼き鳥などの、料理に欠かせない炭として、料理人に重宝されてきました。叩くと、金属のような、澄んだ高い音がするのが、良質な証。和歌山の、豊かな森が育んだ、この手しごとは、日本の食文化を、火の面から支えています。
紀州の、ものづくりに触れる
紀州漆器や、備長炭のほかにも、和歌山には、保田紙(やすだがみ)という和紙や、みかんを使った加工品など、土地の恵みを生かした、ものづくりが息づいています。漆器の里では、工房をめぐったり、絵付け体験をしたりすることもできます。聖地巡礼や、海の絶景、紀州の味覚とあわせて、和歌山の伝統の手しごとに触れれば、この地の文化の奥深さを、より深く感じられるはずです。
紀州の風土が育てた、手しごと
和歌山にこうした手しごとが根づいたのは、豊かな自然の恵みがあったからです。紀州備長炭の原料となるウバメガシは、温暖な紀州の海岸沿いの山に多く自生し、良質な炭づくりを支えてきました。また、紀州漆器の産地・黒江は、近くで漆や木材が手に入り、港にも近かったため、流通の拠点として漆器づくりが発展しました。土地の恵みと、人々の知恵や技が結びついて、暮らしを支える道具や器が生み出されてきたのです。聖地や絶景の陰で静かに受け継がれてきた、こうした手しごとに触れると、和歌山という土地の奥深さが見えてきます。
堅牢で実用的な紀州漆器、料理人に重宝される最高級の紀州備長炭。長い歴史のなかで磨かれた本物の道具や器が、暮らしを豊かにしてくれます。
手しごとに触れる、めぐり方
紀州漆器の里・黒江では、工房をめぐったり、絵付け体験をしたりできます。比較的手頃な価格の漆器も多く、日々の暮らしに気軽に取り入れられるのが魅力です。和紙やみかんの加工品など、土地の恵みを生かしたものづくりも各地に息づいています。
和歌山へは、大阪から鉄道などでアクセスできます。熊野や高野山の聖地巡礼、南紀白浜の温泉、紀州の海の幸とあわせて、和歌山の伝統の手しごとに触れれば、この地の文化の奥深さを、より深く感じられるはずです。
旅のメモ
- エリア
- 和歌山県海南市ほか
- 名物
- 紀州漆器(黒江塗)・紀州備長炭
- 体験
- 漆器の絵付け体験など
- あわせて
- 熊野・高野山・紀州の味と