信楽焼のふるさと。たぬきと炎が生む、土の温もり
滋賀の山あい・信楽(しがらき)は、千年以上の歴史を持つ、やきものの里です。日本六古窯のひとつに数えられ、土の温もりを生かした、素朴で力強い味わいで知られます。店先で福を招く、愛らしいたぬきの置物は、信楽の顔。炎が生み出す、ひとつとして同じものがない器の表情——信楽のやきものの魅力と、その里の楽しみ方をご案内します。手しごとの温もりに、心が和む旅です。
信楽たぬきと、素朴な器
信楽焼といえば、まず思い浮かぶのが、大きな笠をかぶり、徳利と通帳を手にした、愛らしいたぬきの置物です。「他を抜く」に通じる縁起物として、商売繁盛を願って、店先に置かれてきました。また、信楽焼の器は、鉄分を多く含む地元の土を生かした、ざっくりとした素朴な風合いが魅力。花入れや、湯のみ、皿など、使うほどに味わいを増します。窯元やギャラリーをめぐり、お気に入りを探す時間は格別です。
炎が生む、土の表情
信楽焼の魅力のひとつが、薪を使った登り窯(のぼりがま)で焼成する際に生まれる、自然な「窯変(ようへん)」です。炎や、降りかかる灰によって、釉薬を使わずとも、緋色(ひいろ)や、自然釉(しぜんゆう)といった、独特の景色が器に現れます。ひとつとして同じものがない、その表情こそが、信楽焼の醍醐味。作陶体験では、ろくろや手びねりで、自分だけの器づくりに挑戦できます。土に触れる楽しさを、実感できます。
やきものの里を、訪ねる
信楽の町には、窯元やギャラリーが点在し、散策が楽しめます。古い登り窯が残る風景や、たぬきの置物がずらりと並ぶ光景は、信楽ならでは。陶芸の森(陶芸公園)では、やきものの歴史や、現代的な作品にも触れられます。近隣には、現代美術館として名高いMIHO MUSEUMもあります。琵琶湖や、彦根城とあわせて、土の温もりあふれる、信楽の里を訪ねてみてください。
日本六古窯と、信楽焼の歴史
信楽焼は、瀬戸、常滑、越前、丹波、備前とともに「日本六古窯(ろっこよう)」に数えられる、中世から続く由緒あるやきものです。信楽の土は、耐火性が高く、大きな器づくりに適していたため、古くは水がめや種壺といった日用の大物がつくられました。茶の湯が盛んになると、その素朴で力強い風合いが茶人に愛され、茶陶としても発展。釉薬を使わずとも、炎と灰が生み出す自然な「窯変」の美しさは、信楽焼ならではの魅力です。千年を超えて受け継がれてきた、土と炎の芸術なのです。
店先で福を招く愛らしいたぬきの置物も、信楽の顔。「他を抜く」に通じる縁起物として、長く親しまれてきました。
信楽のめぐり方と、アクセス
信楽の町には、窯元やギャラリー、陶器店が点在し、散策が楽しめます。やきものの歴史や現代的な作品に触れられる陶芸の森や、作陶体験ができる工房も充実。近隣には、自然のなかに溶け込む建築で名高い美術館もあり、あわせて訪れる人も多くいます。
信楽へは、信楽高原鉄道や車でアクセスできます。琵琶湖や彦根城、近江八幡といった滋賀の名所とあわせて、土の温もりあふれる信楽の里を訪ねてみてください。お気に入りの器を探し、土に触れる楽しさを味わう——手しごとの温もりに、心が和む旅になります。
旅のメモ
- エリア
- 滋賀県甲賀市信楽町
- 名物
- 信楽焼・たぬきの置物
- 体験
- 作陶・絵付け体験
- あわせて
- 琵琶湖・彦根城と