北海道で出会う、本当においしい和菓子屋7選
小豆の生産量、日本一。北海道は、まさに「あんこの国」です。十勝平野の肥沃な大地で育った豆は、ふっくらと炊きあげれば、それだけで主役になります。今回は観光ガイドではなく、地元の人が日常的に通う——そんな本当においしい和菓子屋を、編集部が現地で食べ歩いて厳選しました。豆の風味をまっすぐに感じる、北の和菓子の世界へご案内します。
「いい豆は、余計なことをしないのが一番おいしい」——取材した職人さんの言葉が、北海道の和菓子のすべてを言い表しています。
帯広|あんこが主役の、老舗のひと品
十勝の中心・帯広は、北海道の和菓子を語るうえで外せない町です。豆の産地のすぐそばで炊かれるあんこは、香りからして違います。看板の豆大福は、皮が驚くほど薄く、ほとんどがあんこ。ひとくち頬張れば、豆そのものの甘みと香りが口いっぱいに広がり、豆の国にいることを全身で実感します。素材に余計な手を加えない、職人の自信が伝わる一品です。どら焼きや最中も、あんの質の高さがそのまま味になっています。
札幌|モダンな町家で味わう、季節の上生菓子
都市の真ん中で、伝統を今の感覚で表現する店も増えています。札幌には、若い職人が手がける新しい和菓子の店が点在し、季節の上生菓子は、まるで小さな工芸品のよう。春は桜、夏は清流、秋は紅葉、冬は雪——四季を写し取る繊細な意匠は、目で味わう日本の文化そのものです。淹れたてのお茶とともに、ゆっくりと味わいたい一軒。手みやげにも喜ばれます。
道内に点在する、銘店たち
函館では港町ならではの塩を効かせた素朴な団子、小樽では運河の街で愛されるレトロな最中、旭川では寒暖差が生むきめ細やかな羊羹、富良野では季節の素材を閉じ込めた彩り豊かな餅菓子と、土地ごとに個性が光ります。旅の途中で出会ったら、ぜひその場で味わってみてください。気に入ったら、お取り寄せで日常の楽しみにするのもおすすめです。北海道の和菓子は、豆の質がそのまま味になる、何度でも通いたくなる奥深さがあります。
あんこの国・北海道の、歴史と背景
北海道が「あんこの国」と呼ばれるのには、開拓の歴史があります。明治以降、厳しい寒さでも育つ小豆は、入植した人々にとって貴重な作物となり、十勝平野を中心に栽培が広がりました。今や北海道は小豆の生産量で日本一を誇り、全国の和菓子店で使われるあんこの多くが、北海道産の豆から作られています。良質な豆が地元で手に入るからこそ、北海道の和菓子店は、あんこの味で勝負できるのです。豆の風味をまっすぐに生かす——それが、北の和菓子の真骨頂です。
おみやげには、日持ちのするどら焼きや最中、羊羹などが人気です。各地の老舗が、土地ごとの個性を込めて作る和菓子は、贈る人ももらう人も笑顔にしてくれます。空港や駅の売店でも幅広くそろうので、旅の締めくくりに選んでみてください。豆の質がそのまま味になる北海道の和菓子は、一度味わうと、また求めたくなる奥深さがあります。海鮮や温泉をめぐる旅とあわせて、北の甘味を、ぜひ堪能してください。
旅のメモ
- エリア
- 北海道(帯広・札幌・函館ほか)
- 名物
- 豆大福・どら焼き・上生菓子
- 季節
- 通年(栗は秋限定)
- あわせて
- 海鮮や温泉とめぐる旅に